過去や未来に心をさまよわせず、「今」ここに「心」を完全に置いていることを
仏教では「念」(パーリ語で「サティ」)といい、
ベトナムの禅僧ティク・ナット・ハン師がこの「念」を「mindfulnessマインドフルネス」と表現しました。
当ヨガ教室「ムムクシュヨガ」では、
ヨガとの関係も歴史の深いこの「マインドフルネス」をベースにした
ヨガと瞑想のレッスンやプライベートセッション等を提供しております。
人の思考は日々常に走り続ける特性を元々持ってるので、忙しい毎日の中では「心ここに在らず」の状態に陥りがち。
自分自身の身体の不調を見落としたり、
自分の気持ちがどうなのかすら良くわからない、
ストレス過多であればあるほど心と体はバラバラになり、心身のバランスを崩してしまいます。
ここで役立つのが「マインドフルネス」。
ヨガや瞑想の際には、自分の呼吸や身体を丁寧に感じるよう努めます。
単純な事かもしれませんが、慣れないうちは色々な思考が浮かびやすく思考は彷徨いやすいものです。
繰り返し実践することで集中力を高め、
また自分の呼吸や体を感じるとこが”自信”や”自己受容”(自分をゆるし、受け止める)の感覚へと繋がり、
日常の心の状態や対人関係にも良い影響をもたらします。
ヨガを体験するうえで大切なこと
色々ありますが
その一つが
「体の声を聴く」
という作業です。
「からだ」と「こころ」は、密接に関係し合っています。
上の図は、「ペンフィールドの脳マップ」と呼ばれるもの。
もう一つの人形の絵は、体性感覚野のマップを元に描かれた「ホムンクルス」。
二つの絵の様子から、運動、感覚ともに、とくに重要な部分(指先や顔面など)が広い脳領域を占めていることがわかりますね。
脳というのは各領域ごとに分業していて
「体の声を聴く」つまり、体の感覚に意識を向ける作業というのは
上の図の体性感覚野という場所を意識的に働かせていることになります。
感覚(視覚、聴覚、味覚なども含む)の領域から入ってきた情報が「連合野」と呼ばれる領域で統合、処理される過程には
情動に関係する「扁桃体」や「帯状回」記憶に関係する「海馬」、
前部が嗅覚や味覚、辺縁系の機能、後部が聴覚、体性感覚、骨格運動に関係する「島皮質」などを経由していて、
その後、思考、自発性(やる気)や理性等に関係する「前頭前野」から、
「運動野」へと、out putの経路に伝達されるそうです。
体を動かす時間の中で「感覚に意識を向ける」ことは
上記の神経伝達の経路を意識的に繰り返していることになりますが、
「感情」や「思考」、「やる気」といったものが「動き」「行動」、パフォーマンスの質を左右するということが
この神経伝達の流れからも理由づけることができます。
また、体性感覚に関わる「島皮質」が活性化されると
不安や恐怖といった情動に関係する「扁桃体」を鎮静させるので、
からだを「感じる」ことは、心を穏やかにする効果が期待できるということがわかります。
体を動かしながら、その感覚に意識を向ける。
とてもシンプルなことですが、
体を「感じる」という作業が、
本来の自分自身を取り戻すきっかけを作ってくれます。
からだの声に耳を傾け、
今の自分自身を、ただそのまま、マインドフルに受け止めること。
否定も肯定もせず、争わず、期待もしない。
穏やかで、前向きなこころと、「選択する力」を育み
「自身を癒す力」を養います。