interbeing 相互存在と愛と世界平和の関係

私たちは、怖れを感じることを避けようとします。

怖れをそのまま放っておけば、多くの場合怒りに変わります。

私たちは、怖れているから怒るのです。

対象がだれであれ、何であれ、恐れの原因になり自分を怖れさせ続けると思う対象に、怒りを向けます。(中略)

困難な状況に直面したとき、だれもが自分はひとりだけで苦しんでいるのではないと気付くことができます。

同じ状況の中で、相手もまた苦しんでいるのです。

 ティク・ナット・ハン著 「怖れ 心の嵐を乗り越える深い智慧」

”周りの世界に対する怖れを変容させる Transforming the Fear Around Us”

 

 

過去や未来に心をさまよわせず、「今」ここに「心」を完全に置いていることを

仏教では「念」(パーリ語で「サティ」)といい、

ベトナムの禅僧で、現在はフランスを中心に活動しているティク・ナット・ハン師が

この「念」を「mindfulnessマインドフルネス」と表現しました。

 

ヨガとマインドフルネスの関係性はと言えば、

1979年にマサチューセッツ州立大学メディカルセンター内に瞑想クリニックを創設したジョン・カバットジン氏による

「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」

この8週間のプログラムの中にヨガが含まれていることが、

「ヨガ」と「マインドフルネス」という言葉の二つを繋ぐ、明確なところになるでしょうか

(ヨガの本質には元々とマインドフルな要素が含まれているんですけどね)。

 

西洋医学のみでは改善しない、慢性疾患を患う患者さんのセラピーとして、

もとは禅の教えである「マインドフルネス」が役立てられているということですね(・∀・)

 

また、このマインドフルネス教えに基に、Google社のチャディー・メン・タン氏が開発した

グーグルの社内研 修プログラム「Search Inside Yourself, SIY(サーチ・インサイド・ユアセルフ)」が

2012年に出版されベストセラーとなり、

企業の経営理念、社員の研修、リーダーシップの育て方というところにもマインドフルネスが取り入れられ、

ビジネスマンの間にも知られるようになりました。

 

では、

瞑想の実践で具体的に何をするかと言えば・・・

 

まず意識を何か一つにとどめる、つまり、思考を止める練習をします。

 

ヨガのクラスで行う静座瞑想の場合、

マントラ(OM や so'ham など)を胸の内で唱えることで頭の中の他事(雑念)を消す、という方法から

始めることが多いかなと思いますが、

 

マインドフルネス瞑想では、「呼吸」と「体」を丁寧に感じることで

「今」にとどまるようにします。

 

ただ眼を閉じると、色々な考えごとが頭の中には浮かんでくるものです。

 

さっき誰かに言われた言葉、電車を降りてからの予定等々、浮かぶ思考の大半が

「過去」と「未来」に関するものでしょう。

変えることのできない過去の出来事や、見えない先の未来にとらわれてしまえば

不安や怖れ、または期待や執着に変わりやすく、

 

そうなると、今目の前にある物をしっかり見ることができません。

 

目の前の人の言葉、表情、おいしいご馳走、楽しい瞬間・・・

味わい、楽しむこと、しっかりと感じとるこができない。

 

幸福は「今この瞬間」にしかないものだから、

今に意識を満たすことができる人は、その実践だけで

より幸せを感じやすいということができます。

 

「今」という瞬間にとどまることは、

物事や自分自身を眺めるように俯瞰してみること、「深く見つめる力」を養うことにも繋がります。

(立ち止まったときに目の前の景色が良く見える、みたいに)

 

ここに在る人やもの全てが、互いに影響し合いながらここに存在する

「inter being 相互存在」という繋がりの中に自分が生かされていることを理解すれば、

期待や執着心を手放すことで

どんな状況の中でも心は自由でいられます。

 

健全で愛のある受け止め方や行動を、

より良いかたちで実践できるようになります。

 

受け止めがたい辛い出来事の渦中で、

もし怒りを何かにぶつけたとしたら、それはいつか必ず何らかの形で自分に返ってくるものです。

 

怖れ、怒り、苦しみ、妬み、孤独・・・

ネガティブな感情にただ蓋をすることも、潜在下でその感情は少しずつ膨れ上がり、

いつしか大きな刃になって自分やひとを傷つけるかもしれません。

 

どんな感情も、(強ければ強いほど)周囲へ伝播するものですし、

大切な人を想う気持ち、愛や優しい感情もまた同様に、

大切な人へと伝わり、大切な人の身近な人、更にその身近な人へと広がっていきます。

 

苦しいとき、辛いとき、苦しんでいるのが自分だけではないと気付いて、

その誰かへ手を差し伸べることができたら、

きっと大きな力に変わるはずです。

 

人を幸せにする力。

大切な人を守り、癒す力。

 

辛く苦しい出来事の過程で感じた恐れや怒りは、心の在り方ひとつで

私たちが生きるこの世界を、

より平和な世界へと変える大きな力に変えられるものなのだから。

 

世界を平和にする、人から人へと繋いでいく、

大切な誰かの幸せを想う気持ちを思い出しながら今日のクラスを体験してみてください。

 

 

週末日曜日、八王子のカルドさんと多摩センターマグレブエストさんのクラスでは、

そんなお話をしていました(・∀・)

マグレブエストさんの「マインドフルネスヨガ」のイベントレッスンでは

瞑想の実践法や脳科学的効果について等、前置きのお話が結構長くなってしましましたが・・・

初めてご参加いただいたIさんより

「録音したいくらいでした!」とのご感想を頂き(^^;

ありがたかったですー(お話したこと思い出しながらまとめてみましたよー)。

 

 

今夜もイベントレッスンあります。

「骨盤の歪みと脚のむくみを改善しよう ボディコンディショニングヨガ」と、

今回はフィジカルな内容、19:30からのクラスです。

(20:45~は通常通りヴィンヤサのクラスです)

会員の皆様、

よろしければいらしてくださいねー(^^)