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「幸福の脳活動」と瞑想と、内側から起こる癒しの効果

「病弱な体に絶望している人がいる。

しかし、体が不自由であるからといって、けっして不幸ではない。

大切なことは、健常な人も、障害を持った人も、

命の尊さに目覚めることである。」

 

石川洋著/逃げたらあかん(『はじめてのあなたに』より)

 

 

自殺やメンタルヘルスの問題について、

朝のテレビニュースで見かけたこともあって

昨日のレッスンでは、

「幸福の脳活動を解明―右大脳揳前部の安静時脳活動が低いほど主観的幸福得点が高い―」という、

京都大学心の未来研究センターの研究論文のお話をしました。

 

右大脳揳前部は、否定的な自己意識や心の迷いに関係するそうで、

この部分の活動が低い人はより強く幸福を感じるということ。

 

自分自身に否定的なジャッジを下すような心の働きが少ない人の方が

より幸福を感じる、

というと確かになんとなく

イメージしやすい気もします(^-^)

 

更にはこの研究結果から、

瞑想が揳前部の活動を低下させるという知見を併せて、

科学的データに裏打ちされた幸福増進プログラムを作るという展開が

期待されるとのことです。

 

 

私が中学3年生の時に、

祖母が自殺しました。

 

もうだいぶ昔のことですが、

今になって思うことは、祖母のあの時の状態は

入院して専門的な治療を受ける必要があったということです。

 

子供の頃はただ混乱するだけでしたが、

その後看護師となって学んできたことからも、

 

今なら

あの時できたこと、

すべきことやそうでないことが幾らかはわかります。

 

強めの睡眠薬を飲んでも眠れないからと、

昼夜に限らずアルコールも飲んでいた祖母から

叔父たちはお酒を取り上げてしまったので、

苦しかったのでしょうねと、今なら気づくんです。

 

重い心身の不調のメカニズムには、

「心の病」という言葉だけでは一般的に理解しづらいような、

セロトニンやドーパミンといった脳内ホルモンと呼ばれるもの、

自律神経、日照時間、体内時計のリズムや

睡眠、胃腸の状態などなど、

様々な要因が関わっています。

 

現代の日本は恵まれた環境にあるはずなのに、

命の尊さに気づけない人がいるという事実があって、

今私たちに何ができるのかと

ふと考えます。

 

幸福の脳活動の話とあわせて、

クラスの始まりでは

「逃げたらあかん」

という本のお話もしました。

 

「誰からも必要とされていないのなら

生きていても仕方ないのでは?」という、

高校2年生の私の質問に対して、

当時の数学の先生が私にくれたプレゼントです。

 

あの日に頂いた贈り物は

時々こうしてヨガのクラスで登場します。

(クラスでは一部分を早口でご紹介したので、後の方に載せておきます。)

 

 

 

ウクライナ支援募金チャリティオンラインレッスンのお知らせ☆

 

5月26日(木)20時開催予定です。

参加費は550円〜1500円よりお選び頂けます。

ライブ参加が難しい方もアーカイブ動画の閲覧ができるように用意しました。

 

お申し込みはトップページまたは「オンラインレッスン」のページよりお願いいたします。

 

 

ヨガや瞑想の練習は、

ストレスや不安の軽減、癒しの効果、

睡眠の質を高め

慢性疲労や脳疲労の改善に役立ちます。

初めての方でも体験しやすい呼吸瞑想を、

体を動かした後に行う予定でいます。

よろしければご参加ください☆

 

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『はじめてのあなたに

悲しいことが多いのは

自分のことしかわからないからだ。

つらいことが多いのは

感謝をしらないからだ。

苦しいことが多いのは

自分に甘えがあるからだ。

悲しみや苦しみを知らない人はいない。

しかし、悲しみや苦しみだけで終わってしまったら

それこそ、哀れむべき人生である。

自分をどう慰めてみても

自分の淋しさを癒してくれるものは生まれてこないからである。

親と子はかけがえないという。

それだけに、どうすることも出来ない子を持つ親は

そのつながりの切なさに涙する。

どんな子にも、かならず光がある。

その光がみえない親は

子によって育てられていることを知ろうとしないからだ。

病弱な体に絶望している人がいる。

しかし、体が不自由であるからといって、けっして不幸ではない。

大切なことは、健常な人も、障害を持った人も、命の尊さに目覚めることである。

人生に失敗し、世の冷たさにほぞを噛んでいる人がいる。

失敗にまごころをつくすことを怠ってはいなかったか。

失敗のない人はいない。

おちておちないことだ。

苦しいことは、誰だって逃げたい。

だが、逃げれば逃げるほど、苦しみは追いかけてくる。

それが苦しみの正体である。

いっそ、苦しみの中に飛び込んでいったら、

苦しみは人生のどん底で

あたたかく抱きとめてくれるのである。

いたらない私は

「一生失敗 一生感謝」であることが心にしみる。

逃げられない恵みがあるからだ。

凡人だもの、泣きたかったら泣こう。

でも、涙だけは汚さないでおこうよ。

慰められるよりも、慰める人に、生まれ変わるために。』